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【アート作品に泊まる】光の館で空をただ眺めた日

今回は新潟県十日町市にある、宿泊できるアート作品『光の館』のご紹介。

 

空や光・感覚の制限などをテーマにした作品が多いジェームズ・タレル

私が中学生か高校生の時かな。とにかくかなり前にローデン・クレーター(Roden Crater)の特集を見て、好きになった芸術家です。

彼の作品は、金沢21世紀美術館地中美術館など日本にも多いのですが、宿泊できるという面白い作品はここだけ。

 

(子供たちはそれなりにわいわいしていたけれど)友人たちとゆっくり空を眺めた時間は、今思い出しても良い時間でした。

 

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光の館-House of Light-

光の館は一般的な日本家屋とは少し違う外観なものの、和を取り入れた外観・内装です。

新潟の雪に埋もれないように出入り口は2階になっています。異世界への入り口にも感じられてちょっと興奮。

到着した日はあいにくの曇り

翌日は快晴

建物の屋根がスライドして屋内から日没・日の出の様子を眺めるインスタレーションなので、雨天時は屋根開放は中止になるという残念な日もあります。

雨天でも光の演出は体験可能。子ども達はお互いの顔の色が次々に変わることに興奮。

そんな運にも左右される宿泊体験。

私たちが訪れた日は雨が降ったりやんだりで、日没時はわずかな時間しか開けられず残念でしたが、日の出時は最初から最後まで空と光の作品をのんびり眺めることができました。

到着するとすぐに和室に通され管理人が建物・作品の説明と精算をする流れ

話は戻ってチェックインのことを。

到着後は作品のある12畳ほどの和室に通され、管理人さんからアート作品に泊まるという初体験に向けての心得を聞きます。その後宿泊者全員で施設全体を案内してもらい、最後に精算もしました。その後、管理人さんはチェックアウト時間までほぼ来ません(夕食を届けにはきたかな)。別棟で過ごしているようです。

 

1階は和室1室、洗面・トイレ、浴室(浴室もびっくりするような仕掛けの作品)。2階に和室2室、キッチンがあり、少人数での予約だと他のグループと一緒に宿泊することになる場合もあります。

作者が宿泊者同士の交流を望んでいることから、こういった珍しい宿泊方法が取られているのだとか。

 

私の場合は子供を交えた10人で予約したため、他の宿泊者はいませんでした。

カップルや子供嫌いの方と一緒になったら雰囲気ぶちこわしてしまうよ、どうしよう…という恐怖があったので、他のグループがいなくて心底ほっとしました。

『Outside In』と『Light Bath』

『Outside In』 

2000年制作

ジェームズ・タレル  James Turrell

 

日没・日出の自然な光の変化と人工的な光を合わせることで、空の色味が強調されたり色が違って見えてくる不思議なアート作品。

 

『Light Bath』

2000年制作 

ジェームズ・タレル  James Turrell

 

日没後に入浴することを想定した作品。明るく騒がしい暮らしをしている現代人に静寂をプレゼントしてくれるような作品。

 

 

光の館は和室のインスタレーションだけではなく、浴室も作品になっています。

浴室は暗過ぎたり仕掛けがあれなので写真では伝えられないのですが、是非興味のある方は訪れて体験してほしい作品です。

一人で行ったら(ちょっと怖いけど)たっぷり瞑想ができそうな空間でしたよ。

作品の様子をちょっとだけご紹介

▽こちらは写真をつなげたもの

youtu.be

 

▽こちらは実際の光の変化の様子。ゆっくりです。

youtu.be

写真や動画撮影はささっと済ませ、あたたかいお布団に寝転びながら、流れていく雲や移り変わる空の色をただ眺めました。

 

空が切り取られていると広々とした空を眺めるのとはまた違い、雲の流れをいつもより意識する時間でした。近くに民家はないので、周りから聞こえてくる鳥のさえずりもとても大きく聞こえてきました。

ゆっくりと過ぎる時間。深呼吸を思い出した印象的な日。

好きな芸術家の作品に泊まれるということでかなり期待値が高かったこの旅。

とはいえ、子どもと一緒で話しかけられるだろうし何かと忙しいだろうし”瞑想のためのゲストハウス”としての体験はできないだろうと思っていました。実は訪れたのは2年以上前で、色々と疲れていた時期(今もか)

 

それが、朝寝転びながらただ空を眺めていたら、すぅっと深く呼吸ができる瞬間が訪れたんですね。急に肺全体を使えるようになったというか、自覚のないどこかのつっかかりが取れたような。ふかふかお布団でほかほかの子どもの寝息を横で聞きながら空を眺める、というのがまたリラックスによかったのかもしれません。

 

瞑想をしたことがない私には、とても印象的な出来事でした。

(子ども同士で遊んでいてくれていたので、いつもよりたっぷりとごろごろして)ただただ空の光の移り変わりを眺めて過ごす。なんて贅沢な時間だったのでしょう。

日の出のインスタレーションが終わって外廊下へ。ひんやりとした清々しい空気。

この天井の薄さが良い

晴天なら開け閉め自由。ゆっくり眺められる。

光の館、他に立ち寄った場所など

・光の館-House of Light

住所:新潟県十日町市上野甲2891

夕食は公式から申し込み可能。和の仕出し弁当でボリュームもあり美味しかったです。

朝食は持ち込みが必要です。

光の館は丘の上にあり周囲に何もないので、十日町駅周辺のスーパーか道の駅などで食材を購入してから向かうのが吉です。地酒なども豊富でした。

▽詳細・宿泊予約は公式HPから

hikarinoyakata.com

 

・越後妻有里山現代美術館 MonET

www.echigo-tsumari.jp

 

・越後妻有 大地の芸術祭

www.echigo-tsumari.jp

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